メンフィスにて

主に生命科学と社会について考える

2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

若い人の血による若返り効果?

ちょっとこのタイトルは怪しげだが、このサイエンスの記事はおもしろい。遺伝子工学でも幹細胞でもないが、俗な面白さがある。若い人の血漿を輸血された人が”若返る(かもしれない)”というのだ。 記事を読んでみると、この流れの研究には結構な歴史があるこ…

ゴールデンライスをめぐる攻防(5)その特殊性

前回の記事で、ゴールデンライスを阻止しようとしているグループが流布している説を書いた。それは研究者や公的機関が、巨大企業(例えばモンサント)の手先となって貧しい国々にGMOの普及を目論んでいるというものだ。しかし実際のところ巨大企業はゴールデ…

Oxitecの蚊に関するFDAの発表

8月6日にFDA(米国食品医薬品局)は、オキシテック社の開発した遺伝子改変ネッタイシマカ(OX513A)の米国内での野外試験にゴーサインを出した。これは一般のメディアでも報道されていて注目度の高いニュースだ。最近フロリダのごく一部だが、現地の蚊が媒介…

北米のオオカミは1種のみ  

北米のオオカミがただ一種だったという話だ。それが何だと言われるだろう。しかしこの話題は結構奥が深い。 まずは2,014年9月のサイエンスに出たアメリカアカオオカミ(red wolf, Canis rufus、以下、ここではアカオオカミとする)の保護の話から。北米のオ…

ゴールデンライスをめぐる攻防(4)ゴールデンライスの現在地(続)

ゴールデンライス推進グループはGR2−Rという株を、野外試験のための規制当局の審査プロセスに持ち込んでいる。遺伝子改変生物(Living modified organism, LMO)を野外で栽培するための規制が各国にある。この一部はカルタヘナ議定書の内容により規定されて…

NIHは”動物−ヒトキメラ研究の凍結”を解除する:科学の倫理的問題の取り扱い

先週(8月4日)、NIH(National Institutes of Health) は昨年9月に凍結していた”ヒト–動物キメラ作成実験への研究助成”を解除する方針を発表した。同日、米国メディアもこれを報じている(NPR、NYT、Scienceの記事)。 この件に関しては昨年10月にNIHの”凍…

ゴールデンライスをめぐる攻防(3)ゴールデンライスの現在地

問題を理解するためにはゴールデンライスの現在地を確認しておく必要がある。 複数のソースがあるが、Michael Eisensteinによる2,014年のNatureの記事が簡潔によくまとめられている。この2年間に目覚ましい進展があったわけではないので、この記事の内容をも…

セパタクローは選択肢になかったか?

今日東京オリンピックの5つの追加競技が決定されたというニュースを聞いた。 少し残念に思う。私はセパタクローを入れるのが良いと(勝手に)思っていたから。理由はいくつかある。 オリンピックはもともとフランス人が提唱したもので、北の先進国のものだ。…